○伊勢市救急業務実施規則
平成17年11月1日
規則第164号
注 令和3年8月から改正経過を注記した。
(趣旨)
第1条 この規則は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)に基づく救急業務の実施に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) 救急業務 法に定める救急業務をいう。
(2) 救急事故 法及び消防法施行令(昭和36年政令第37号)に定める救急業務の対象である事故及び疾病をいう。
(3) 救急自動車 救急業務を行う自動車をいう。
(救急隊の配置)
第3条 救急業務を行うため、消防署、消防分署及び消防出張所(以下「署所」という。)に救急隊を置く。
(救急隊長)
第4条 救急隊員(以下「隊員」という。)のうち1人は、救急隊長(以下「隊長」という。)とする。
2 隊長は、上司の命を受け、隊員を指揮監督し、救急業務を円滑に行うよう努めなければならない。
(救急隊の編成)
第5条 消防長は、救急救命士(救急救命士法(平成3年法律第36号)第2条第2項に規定する救急救命士をいう。)の資格を有する隊員及び救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号)第5条第2項に規定する救急隊員をもって救急隊を編成するよう努めるものとする。
2 消防長は、一の救急隊の出動回数が特に多い署所については、救急業務を円滑に行うために必要な要員を確保するよう努めるものとする。
(隊員の訓練)
第6条 消防長は、隊員に対し、救急業務を行うに必要な学術及び技能を習得させるため、常に教育訓練を行うよう努めなければならない。
(隊員の服装)
第7条 隊員は、救急業務を行う場合は、伊勢市消防吏員服制規則(平成17年伊勢市規則第154号)の規定に基づく救急帽及び救急服又は略帽及び作業服を着用するものとする。ただし、安全を確保するため必要があるときは、保安帽・感染防止衣等を着用するものとする。
(救急隊の出動)
第8条 消防長は、救急事故が発生した旨の通報を受けたとき、又は発生したことを知ったときは、当該事故の発生場所、傷病者の数及び傷病の程度等を確かめ直ちに所要の救急隊を出動させなければならない。
(口頭指導)
第9条 消防長は、救急要請時に、消防本部通信指令課通信指令第1係、通信指令第2係若しくは通信指令第3係又は現場出動途上の救急自動車等から、救急現場付近にある者に電話等により応急手当の協力を要請し、その方法を指導するよう努めるものとする。
(出動区域)
第10条 救急隊の出動区域は、伊勢市、玉城町、度会町及び別に定める応援協定区域とする。
2 消防長は、特に必要と認める場合は、出動区域外に出動を命ずることができる。
(特別救急隊)
第11条 消防長は、救急事故の状況により特に必要があると認めるときは、救急隊以外の消防隊に救急業務を行わせることができる。
(救急自動車の要件)
第12条 救急自動車は、道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)に定める救急自動車の基準に適合するもののほか、次の各号に掲げる構造及び設備を有するものとする。
(1) 隊員3人以上及び傷病者2人以上を収容し、かつ、第15条第1項に定める資器材を積載できる構造のもの
(2) 4輪自動車
(3) 傷病者を収容する部分の大きさは、次のとおりとする。
ア 長さ1.9メートル、幅0.5メートル以上のベッド1台以上及び担架2台以上を収納し、かつ、隊員が業務を行うことができる容積を有するもの
イ 室内の高さは、隊員が業務を行うに支障のないもの
(4) 十分な緩衝装置を有するもの
(5) 適当な防音、換気及び保温のための装置を有するもの
(6) その他救急業務を行うために必要な構造及び設備を有するもの
(高規格の救急自動車の配置)
第13条 消防長は、救急隊員の行う応急処置等の基準第6条第3項に規定する応急処置を行うために必要な構造及び設備を有する救急自動車を配置するよう努めるものとする。
(救急自動車の標示)
第14条 救急自動車の側面には、消防署名を標示するものとする。
(救急自動車に備える資器材)
第15条 救急自動車には、応急処置及び通信等に必要な資器材で別表第1に掲げるものを備えるものとする。
(搬送)
第16条 隊員は、救急現場に到着したときは、直ちに傷病者の状況を把握し、必要に応じた応急処置を施し、傷病者の症状に適応した医療機関に搬送するものとする。
(搬送を拒んだ者の取扱い)
第17条 隊長は、傷病者又はその関係者が搬送を拒んだ場合は、搬送しないものとする。
(医師の要請)
第18条 隊長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに救急現場に医師を要請し、必要な措置を講ずるものとする。
(1) 傷病者の状態からみて、搬送することが生命に危険であると認められる場合
(2) 傷病者の状態からみて搬送可否の判断が困難な場合
(3) その他救急事故の現場において医師の診療が必要な場合
2 隊長は、傷病者を医療機関から他の医療機関へ直ちに搬送する場合は、医師の同乗等適切な措置を講ずるものとする。
3 前2項に規定する医師の要請は、消防長が行うものとする。
(死亡者の取扱い)
第19条 隊長は、傷病者が明らかに死亡していると認められる場合、又は医師が死亡していると診断した場合は、これを搬送しないものとする。
(関係者の同乗)
第20条 隊長は、救急業務の実施に際し、傷病者の関係者又は警察官が同乗を求めたときは、これに応ずるよう努めるものとする。
(感染防止対策)
第21条 隊長は、感染の疑いのある傷病者を搬送した場合、又は隊員、救急自動車等に汚染があった場合は、直ちに所定の消毒を行い、感染症傷病者搬送・汚染状況報告書(様式第1号)により消防長に報告しなければならない。
2 消防長は、前項の報告を受けたときは、当該傷病者に対する医師の診断結果を確認し、所要の措置を講ずるものとする。
3 消防長は、救急隊の搬送に係る傷病者が医療機関において感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条に規定する1類感染症、2類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症又は新感染症(以下「1類感染症等」という。)と診断された場合における処置について、関係機関と適正な連絡通報体制を確立しておかなければならない。
(警察への通報)
第22条 消防長は、救急事故の原因が交通事故、犯罪の疑い又は服毒等で、警察への通報が必要であると認めたときは、速やかにその旨を警察署長に通報するとともに、証拠の保全に留意しなければならない。
(要保護者等の取扱い)
第23条 消防長は、生活保護法(昭和25年法律第144号)に定める被保護者又は要保護者と認められる傷病者を搬送した場合においては、同法第19条各項に定める機関に通報するものとする。
(家族等への連絡)
第25条 隊長は、傷病者の傷病の状況により必要があると認めるときは、その者の家族等に対し、傷病の程度又は状況等を連絡するよう努めるものとする。
(活動の記録)
第26条 隊長は、救急活動を行ったときは、救急活動報告書(様式第5号)に救急活動を行った年月日、傷病者の住所、氏名、年齢及び性別並びに救急隊の活動概要等所要の事項を記録するものとする。
2 隊長は、傷病者を搬送し、医療機関に引き渡したときは、傷病者の状態及び施した応急処置等の内容を記した救急票(様式第6号)を当該医療機関に交付し、搬送の確認を受けるとともに、傷病名及び傷病程度等について医師の所見を聴し、救急活動報告書に記録するものとする。
3 隊員は、応急処置等を行うに際し、医師の指示があった場合には、当該医師の氏名及びその指示内容を救急活動報告書に記録しておくものとする。
4 救急救命士の資格を有する隊員は、救急救命処置(救急救命士法第2条第1項に規定する救急救命処置をいう。以下同じ。)を行ったときは、同法第46条の規定により救急救命処置録(様式第7号)を作成し、指示を受けた医師の署名又は押印を受けるものとする。
5 前項の規定にかかわらず、救急救命士法第44条第1項に規定するもの以外の救急救命処置を行ったときについては、所要事項を記入した救急活動報告書及び救急票をもって救急救命処置録とすることができる。
6 消防長は、前2項の救急救命処置録を5年間保存しなければならない。
(医療機関との連絡)
第27条 消防長は、救急業務の実施について医療機関と常に密接な連絡を取らなければならない。
(救急報告)
第28条 隊長は、救急業務を終了し帰署(所)したときは、救急活動報告書により、その状況を速やかに消防署長に報告しなければならない。
2 救急救命士の資格を有する隊員は、救急救命士法第44条第1項に規定する救急救命処置を行ったときは、救急救命処置録により、その状況を消防長に報告しなければならない。
(消毒)
第29条 消防長は、常に救急自動車及び積載資器材の整備及び清掃に努めるほか、次の各号に掲げる消毒を行わなければならない。
(1) 定期消毒 毎月1回
(2) 使用後消毒(1類感染症等と疑われる傷病者を搬送したとき、その他消毒を行う必要があると認めたときに限る。)
2 消防長は、消毒実施表(様式第8号)を車内の見やすい場所に標示し、消毒を行ったときは、その都度該当事項を記入するものとする。
3 第1項の規定による消毒を効果的に行うため、署所にホルマリンガス消毒器、エチレンオキサイドガス滅菌器等の消毒用資器材を備えるものとする。
(救急業務実施計画)
第30条 消防長は、特殊な救急事故が発生した場合における救急業務の実施計画を、あらかじめ作成しなければならない。
2 消防長は、前項に定める計画に基づく訓練を毎年1回以上行わなければならない。
(救急調査)
第31条 消防長は、救急業務の円滑な実施を図るため、出動区域について次の各号に定めるところにより、調査を行うものとする。
(1) 地勢及び交通の状況
(2) 救急事故が発生するおそれのある対象物の位置及び構造
(3) 医療機関等の位置その他必要な事項
(4) その他消防長が必要と認める事項
(救急隊員の遵守事項)
第32条 隊員は、傷病者を救急、救助及び搬送するに当たっては、次の事項を遵守しなければならない。
(1) 出動に際しては、交通及び関係法令に留意し、最も安全な方法により迅速に行動すること。
(2) 救急業務の特異性を自覚し、常に身体、着衣の清潔保持に留意すること。
(3) 傷病者の取扱いに当たっては、懇切丁寧を旨とし、しゅう恥又は不快の念を抱かせないよう言動に注意するとともに、救急業務上知り得た関係者の秘密を他に漏らさないこと。
(4) 常にその病状を看視し、不測の事故が起こらないように努めること。
(5) 傷病者の携帯品に対し、盗難紛失等のないよう注意すること。
(6) 資器材の保全に留意するとともに、その使用については適正を期すること。
(住民に対する普及啓発)
第33条 消防長は、住民に対する応急手当の普及啓発活動を計画的に推進するよう努めるものとする。
(委任)
第34条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は、消防長が定める。
附則
(施行期日)
1 この規則は、平成17年11月1日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の日の前日までに、合併前の伊勢市救急業務実施規則(平成5年伊勢市規則第20号)の規定によりなされた手続その他の行為は、この規則の相当規定によりなされたものとみなす。
附則(平成18年9月29日規則第54号)
この規則は、平成18年10月1日から施行する。
附則(平成19年3月23日規則第5号)
この規則は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成19年12月27日規則第52号)
この規則は、平成20年1月1日から施行する。
附則(平成21年3月30日規則第20号)
(施行期日)
1 この規則は、平成21年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の際現にあるこの規則による改正前の伊勢市救急業務実施規則に定める様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
附則(平成23年4月1日規則第13号)
この規則は、平成23年4月1日から施行する。
附則(平成23年4月15日規則第22号)
この規則は、公布の日から施行し、平成23年4月1日から適用する。
附則(平成23年5月26日規則第28号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成26年4月1日規則第16号)
この規則は、平成26年4月1日から施行する。
附則(平成27年1月21日規則第2号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成28年12月28日規則第68号)
(施行期日)
1 この規則は、平成29年1月1日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の際現にあるこの規則による改正前の伊勢市救急業務実施規則に定める様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
附則(令和3年8月31日規則第46号)
(施行期日)
1 この規則は、令和3年9月1日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の際現にあるこの規則による改正前のそれぞれの規則に定める様式(次項において「旧様式」という。)により使用されている書類は、この規則による改正後のそれぞれの規則に定める様式によるものとみなす。
3 この規則の施行の際現にある旧様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
別表第1(第15条関係)
分類 | 品名 |
観察用資器材 | 血圧計 |
血中酸素飽和度測定器 | |
検眼ライト | |
心電計 | |
体温計 | |
聴診器 | |
呼吸・循環管理用資器材 | 気道確保用資器材 |
吸引器一式 | |
喉頭鏡 | |
酸素吸入器一式 | |
自動式人工呼吸器一式 | |
自動体外式除細動器 | |
手動式人工呼吸器一式 | |
マギール鉗子 | |
創傷等保護用資器材 | 固定用資器材 |
創傷保護用資器材 | |
保温・搬送用資器材 | 雨おおい |
スクープストレッチャー | |
担架 | |
バックボード | |
保温用毛布 | |
感染防止・消毒用資器材 | 感染防止用資器材 |
消毒用資器材 | |
通信用資器材 | 無線装置 |
その他の資器材 | 懐中電灯 |
救急バッグ | |
トリアージタッグ | |
膿盆 | |
はさみ | |
ピンセット | |
分娩用資器材 | |
冷却用資器材 |
備考
1 気道確保用資器材は、経鼻エアーウエイ及び経口エアーウエイを含む気道確保に必要な資器材をいう。
2 吸引器一式は、吸引用カテーテルを含む口腔内等の吸引に必要な資器材をいう。
3 酸素吸入器一式は、酸素ボンベ、酸素吸入用鼻カニューレ及び酸素吸入用マスクを含む酸素吸入に必要な資器材をいう。
4 自動式人工呼吸器一式は、換気回数及び換気量が設定できるものとし、手動式人工呼吸器及び酸素吸入器に含まれる資器材と重複するものは共用できるものとする。
5 自動体外式除細動器は、救急救命士が使用するものについては、心電図波形の確認及び解析時期の選択が可能なものが望ましく、地域メディカルコントロール協議会の助言等に応じて備えるものとする。
6 手動式人工呼吸器一式は、人工呼吸用のフェイスマスクを含む手動による人工呼吸に必要な資器材をいう。
7 固定用資器材は、副子及び頸椎固定補助器具を含む全身又は負傷部位の固定に必要な資器材をいう。
8 創傷保護用資器材は、三角巾、包帯及びガーゼを含む創傷被覆に必要な資器材をいう。
9 感染防止用資器材は、ディスポーザブル手袋、ディスポーザブルマスク、ゴーグル、N―95マスク及び感染防止衣を含む感染防止に必要な資器材をいう。
10 消毒用資器材は、各種消毒薬及び各種消毒器を含む消毒に必要な資器材をいう。
11 分娩用資器材は、臍帯クリップを含む分娩に必要な資器材をいう。
12 冷却用資器材は、ディスポーザブル瞬間冷却材等とする。
別表第2(第15条関係)
分類 | 品名 |
観察用資器材 | 血糖値測定器 |
呼吸・循環管理用資器材 | 呼気二酸化炭素測定器具 |
自動式心マッサージ器 | |
ショックパンツ | |
心肺蘇生用背板 | |
特定行為用資器材 | |
ビデオ硬性挿管用喉頭鏡 | |
通信用資器材 | 携帯電話 |
情報通信端末 | |
心電図伝送等送受信機器 | |
救出用資器材 | 救命綱 |
救命浮環 | |
万能斧 | |
その他の資器材 | 汚物入 |
在宅療法継続用資器材 | |
洗眼器 | |
リングカッター | |
その他必要と認められる資器材 |
備考
1 自動式心マッサージ器は、地域の実情に応じて備えるものとする。
2 特定行為用資器材は、救急救命士法施行規則(平成3年厚生省令第44号)第21条に定める救急救命処置に必要な資器材とし、地域メディカルコントロール協議会の助言等に応じて備えるものとする。
3 ビデオ硬性挿管用喉頭鏡は、チューブ誘導機能を有するものとし、地域メディカルコントロール協議会の助言等に応じて備えるものとする。
4 情報通信端末は、傷病者情報の共有や緊急度判定の支援等、救急業務の円滑化に資するための機能を有する資器材とし、地域の実情に応じて備えるものとする。
5 心電図伝送等送受信機器は、地域の実情に応じて備えるものとする。
6 在宅療法継続用資器材は、医療機関に搬送するまでの間において、在宅療法を継続するために必要な資器材とし、地域の実情に応じて備えるものとする。
(令3規則46・一部改正)
(令3規則46・一部改正)
(令3規則46・一部改正)