○伊勢市環境基本条例

平成17年11月1日

条例第134号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 基本的施策(第7条―第10条)

第3章 環境審議会(第11条―第15条)

第4章 雑則(第16条・第17条)

附則

私たちのまち伊勢市は、豊かな森林、清浄な水、清涼な空気など自然環境に恵まれ、先人たちが築いてきた歴史的・文化的環境を育み、発展してきた。

しかしながら、都市化の進展、社会経済活動の拡大、生活様式の変化などに伴い、身近な自然の減少や環境への負荷の増大など都市生活型の環境問題が深刻化し、更には、地球温暖化など地球規模で環境に影響を与えており、経済システムのあり方や生活様式の見直しなど新たな対応が求められている。

私たちは、良好な環境の下に、健康で文化的な生活を営む権利を有しているとともに、恵み豊かな環境を市民共有の財産として維持し、将来の世代に継承していく責務を負っている。

ここに、すべての人々が協働して、環境への負荷の少ない循環型社会システムの構築を推進し、快適な生活環境を確保するとともに、自然環境を健全で恵み豊かなものとして維持継承していくため、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境基本法(平成5年法律第91号)の精神にのっとり、環境の保全について基本理念を定め、並びに市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに市民の福祉に貢献することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「環境の保全」とは、健康で安全かつ快適な生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)及び恵み豊かな自然環境を保持し、及び保護することをいう。

2 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全は、本市の恵み豊かな環境を保全し、更に市民の健康で安全かつ快適な文化的生活を営むことができる環境を確保するとともに、この環境を将来の世代に継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全は、リサイクルの促進、エネルギーの有効利用その他の環境の保全に関する行動により、資源循環型の環境にやさしいまちづくりを目的として、すべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的な取組により行われなければならない。

3 環境の保全は、人の活動による環境への負荷によって失われつつある生態系の均衡を保持し、人と自然との共生を図り、及び安らぎと潤いのあるまちづくりを推進することを目的として行われなければならない。

4 環境の保全は、人類共通の課題である地球環境の保全に資するよう、国際的視野に立って積極的に推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全に関する施策を策定し、及び実施しなければならない。

2 市は、自ら行う施策の策定及び実施に当たっては、環境への影響に配慮し、環境への負荷の低減に努めなければならない。

3 市は、国及び他の地方公共団体と協力し、環境の保全に関する施策の推進に努めなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、公害の防止等自然環境を適正に保全する措置を講ずるとともに、その事業活動に伴う環境への負荷の低減に自主的かつ積極的に努めなければならない。

2 事業者は、基本理念にのっとり、市が実施する環境の保全に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(市民の責務)

第6条 市民は、基本理念にのっとり、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に自主的かつ積極的に努めなければならない。

2 市民は、基本理念にのっとり、市が実施する環境の保全に関する施策に協力するよう努めなければならない。

第2章 基本的施策

(基本方針)

第7条 環境の保全に関する施策の策定及び実施は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ、総合的かつ計画的に行わなければならない。

(1) 自然環境と共生する健康で文化的な生活環境づくりの推進が図られること。

(2) 廃棄物の減量並びに資源及びエネルギーの有効かつ効率的な利用等により、物質の循環が図られること。

(3) 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られること。

(4) 公害を防止し、健康で安心して生活のできる生活環境を確保し、及び自然環境が適正に保全されること。

(5) 樹木、植生等の保全、都市の緑化等により、安らぎと潤いのあるまちづくりを推進すること。

(6) 歴史的・文化的遺産の保全及び活用等により、良好な環境づくりを推進すること。

(7) 環境の保全に関する環境学習の推進を図ること。

(環境基本計画)

第8条 市長は、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全に関する目標、基本的方向及び配慮の指針

(2) 前号に定めるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、第11条に規定する伊勢市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、市民の意見を反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。

5 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。

6 前3項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(自主的な活動の支援)

第9条 市は、事業者、市民等又は民間団体による環境の保全に関する自主的な活動を促進するため、情報提供その他必要な支援の措置を講ずるものとする。

(国等への要請等)

第10条 市は、環境の保全に関し必要があると認めるときは、国又は他の地方公共団体に対し必要な措置を講ずるよう要請するほか、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

第3章 環境審議会

(審議会の設置)

第11条 環境基本法第44条の規定に基づき、伊勢市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、次に掲げる事務をつかさどる。

(1) 環境基本計画に関し、第8条第3項に規定する事項を処理すること。

(2) 市長の諮問に応じ、環境の保全に関する基本的事項を調査審議すること。

(組織)

第12条 審議会は、委員21人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。

(1) 公共的団体等に所属する者で、その団体の推薦を得たもの

(2) 学識経験を有する者

(3) その他市長が必要と認める者

(委員の任期)

第13条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

(会長及び副会長)

第14条 審議会に、会長及び副会長各1人を置き、委員の互選によりこれを定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議等)

第15条 審議会の会議は、必要に応じて会長が招集し、会長が議長となる。

2 審議会は、委員の半数以上の出席がなければ会議を開くことができない。

3 審議会の議事は、出席した委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 審議会の庶務は、環境生活部環境課において処理する。

5 第11条から前項までに定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が会議に諮って定める。

第4章 雑則

(推進体制の整備)

第16条 市は、その機関相互の緊密な連携及び施策の調整を図り、環境の保全に関する施策を推進するための体制を整備するものとする。

2 市は、市民、事業者、民間団体等の参加及びこれらのものとの協働により、環境の保全に関する施策を推進するための体制を整備するものとする。

(財政上の措置)

第17条 市は、環境の保全に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるように努めるものとする。

この条例は、平成17年11月1日から施行する。

(平成18年12月28日条例第66号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(平成20年12月22日条例第30号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成21年4月1日から施行する。

伊勢市環境基本条例

平成17年11月1日 条例第134号

(平成21年4月1日施行)